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産業技術年表
世界 J・モニエ(仏)、鉄筋コンクリート法を発明、特許を取得。最初に作ったものは、鉄線で補強したコンクリートの植木鉢である。
1867年|土木・建築

鉄筋コンクリートとは、文字通り鉄筋とコンクリートで構成されるものであるが、コンクリートもセメント、水、骨材からなる複合材料である。

セメントの起源は古く、ローマ時代にはすでに石灰石を焼いて粉砕したセメントに砂と砂利を混ぜたコンクリートで造られた構造物が存在していたといわれている。

現在使用されているセメントは、1756年イギリスのジョン・スミートン(J.Smeaton)が石造の灯台の建築時に粘土を含む石灰粉末が水によって硬化することを発見したのを機に開発が進み、1824年にイギリスのジョゼフ・アスプディン(J.Aspdin)が特許を取るにいたった。

しかし、セメントと砂、砂利を混ぜて固めたコンクリートは、圧縮には強いが引張りには非常に弱いという欠点があり、この解決策としてやがて鉄材とコンクリートの組み合わせが考案されることになる。この組み合わせでは、引張力に対して使用すると有利な鉄筋を配置することでコンクリートを補強すると同時に、コンクリートにより鉄筋のさびを防ぎ、火事から鉄筋を保護するといった鉄筋の弱点も補われ、この複合構造は両者の欠点を互いに補完し合う絶妙な組み合わせといえる。

1855年に開催されたパリ万国博覧会に、フランスのランボー(J.L.Lambot)は鉄材を埋め込んだコンクリート製の小舟を出品した。また、1867年J.モニエ(J.Monnier)は鉄網を使用したコンクリート製の植木鉢で特許を取った。庭師であったモニエは、陶器でつくった植木鉢は割れやすく、木材はすぐ腐食することを知っていた。モニエはこれに代わるよい材料がないかと考えているうちに、鉄とコンクリートとを組み合わせるというヒントを得たのであった。これらに用いられた鉄材は、鉄線を網状に組んだもので、目的は舟や鉢の芯にすることであった。形を与えるために用いた鉄網が、結果的にはひび割れを減らし、舟や鉢を丈夫にすることになったのである。

ほぼ同時期に、コンクリートの補強材となる良質の鋼の大量生産法としてベッセマー(H.Bessemer)の転炉法やジーメンス(Siemens)、マルタン(P.E.Martin)の平炉法などが開発され、鉄筋コンクリート構造の研究に拍車がかかった。その後、本格的な鉄筋コンクリート構造の研究はドイツにおいて行われ、19世紀後半には理論的な計算法が開発された。帝国土木技師長マティアス・ケーネン(M.Koenen)は、材料力学にもとづいた鉄筋コンクリート床板の設計方法を開発し、帝国議会議事堂の建設に役立てた。帝国議会議事堂のような枢要な建造物に用いられたことが、鉄筋コンクリートの実用化の追い風となった。これを契機として、まずドイツで工場、倉庫のような建物や貯水槽などに鉄筋コンクリートが多用されるようになり、次第に欧米諸国へと広がり、中世以来の石造建造物の歴史に転機が訪れ、鉄筋コンクリートの時代が始まることになった。

参考文献
タイトル 著者・編者 発行年
基礎から学ぶ鉄筋コンクリート工学藤原忠司、張英華2003年
コンクリートの文明誌小林一輔2004年
鉄筋コンクリート工学町田篤彦ほか2005年
鉄筋コンクリート構造林靜雄、清水昭之2004年
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▲モニエと植木鉢[岩波書店『コンクリートの文明誌』より]
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