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技術革新ファイル
優秀な日本製品の代名詞第一号/銀塩カメラ
7 デジタルカメラ:非球面レンズ(アスフェリカル)
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Innovation Story
 日本のアクリル製非球面レンズは、CDやDVDのピックアップレンズをはじめ、オプトエレクトロニクスを支える重要な役割を担う。要素技術となるのは、アクリルと精密金型、そしてレンズに施す反射防止膜の蒸着(コーテイング)である。
アクリル(旭化成・藤倉化成)
 非球面レンズは、無機ガラスで製造すると研磨作業に大変な手間がかかり、コスト高に繋がる。そこで、材質をアクリル製にすれば、精密な金型に流し込むだけで非球面レンズが安く量産できる。今日使われている非球面レンズの材料であるアクリルは、戦時中にゼロ戦などの航空機に使われていた、透明で割れにくく、軽量で対薬品性に優れた有機ガラス、つまりアクリルの開発が根底にある。
コンパクトディスク用読み取りレンズ
 CD(コンパクトディスク)の登場は、デジタル時代の先駆けをなすものだが、波長780ミクロンのレーザー光線1本でCDの情報を読み取るために必要なレンズの開発が重要であった。初期のCD読み取りレンズは顕微鏡用対物レンズ並の3〜4枚構成にもなる複雑なものが使われていたが、非球面レンズなら1枚のレンズで可能となり、大幅なコストダウンに繋がる事は当初より理解されており、ガラスを使用した非球面レンズの製造はコスト高になるので、アクリル系材料を使用し、プレスで量産可能な非球面レンズを開発するのが本命であると見られていた。しかし、サブミクロン単位の精度が要求される上に、空気中の湿気をアクリル製レンズが吸収して膨張し、その結果レンズの屈折率が変化するという難題が持ち上がり、CDの開発を行っていたフイリップス社のアイントホープ研究所をはじめ、多くの企業が開発を断念した。
呼吸するレンズの完成(コニカ・小嶋忠)
 フイリップス社とCDの共同開発を行っていたソニーは、この難題解決をコニカに依頼した。コニカの一眼レフ用ズームレンズの開発者であった小嶋忠は、同社の一眼レフ事業撤退に伴い、新しい製品開発と販路を求めていたが、この難題解決に活路を見出し、レンズに行うコーテイング(反射防止膜)の蒸着過程で、レンズ表面に電子顕微鏡レベルで見えるような細かい割れ目をつくり出す技術を開発した。これは、プラスチックレンズの表面から自由に水蒸気が出入りすると、レンズ内部にはタマネギのような屈折率分布が起きるが、結像性能は保たれるという技術であり、つまり「呼吸するレンズ」の完成である。その後、世界的ブームを巻き起こしたソニーのCD再生装置には全てコニカ製のCDピックアップレンズが用いられ、月産1000万個以上を製造販売しており、アクリル製非球面レンズは、昨今のオプトエレクトロニクス化を支える重要な基幹技術となっている。
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