若松の南海岸通りに面した建物で、石炭の積出港として栄えた若松港の歴史を物語る施設。塔屋を中心に鋭角に切り取られた敷地を上手く利用して象徴的な外観をつくりあげており、若松南海岸に残る建築群の中でもひときわ華やかで、堂々とした外観を誇る。建物でもっとも象徴性を持つ角部の塔屋は、かつて灯台の役目をも果たしていたという。
古河鉱業は明治中期に筑豊炭田に進出、目尾(現在の飯塚市)や下山田(同嘉麻市)、のちに大峰(同田川郡川崎町・大任町・添田町)に進出した。石炭を採掘すると、この若松港から船に積み替え、消費地へ運んでいった。当時若松で石炭を船に積み替える際活躍した沖仲仕(通称ごんぞう)の詰め所として使用されていた小屋が、現在南海岸通りに復元展示されている。
煉瓦造である建物の内部は保存活用にあたり大幅な改修工事が行われた。コミュニティ施設として必要な耐震補強による鋼材の使用、バリアフリー化に伴うエレベータの設置、部屋割りの変更など頻繁な使用に堪えうるための改装の結果、内装については、建造当初の面影は大きく様変わりしたものの、正面玄関のカウンターや金庫室など、当時の業務を物語る設備も一部保存されている。
(データ更新日2015年3月31日)
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北九州市若松区本町一丁目11番18号 |
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開館時間9:00〜17:00(使用中の多目的ホール、会議室には入室不可)、定休火曜日及び年末年始
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建築 |
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1919(大正8)年 |
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大林組 |
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大林組 |
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北九州市 |
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『旧古河鉱業若松支店ビル調査報告書』旧古河鉱業若松支店ビル調査委員会 1998 |
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国登録有形文化財、経済産業省近代化産業遺産、BELCA賞ロングライフ部門受賞 |
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 ▲旧古河鉱業若松ビル外観 |
 ▲塔屋部意匠 |
 ▲内部階段室 |
 ▲内部金庫室 | |